近年、地球温暖化の進行により高温環境下での競技実施が常態化し、さらに国際大会の増加やシーズンの長期化による過密日程が、アスリートの身体的負荷を高めています。
こうした社会的背景の中で、単に鍛えるだけでなく、「回復させる力」や「環境に適応する力」を科学的に高めることが、競技力向上と安全確保の両立に不可欠となっています。
そこで、IPU スポーツ科学センターでは、7年間のノウハウを基に、
アスリートのケガからの早期復帰と競技寿命を延ばすための日常的セルフケアによる高度専門領域のエリアを新設しました。
ケガからの早期復帰のために、鍼灸整骨院による治療からトップガントレーニングセンターでの体力強化までを円滑につなぐ連続組織として、
「アスレチックトレーニング・エリアAthletic training Area」をトップガン2階に開設しました。
プロチームでのアスレチックトレーナー(AT)経験者が担当します。
また、日常的なセルフケアにより、ケガの予防とパフォーマンス向上を図り競技寿命を延ばすために、
インスパイア多目的実験室を「リカバリー&アクリメイション・エリア:Recovery &Acclimation Area」としてリニューアルしました。
クライオバス(超低温刺激)、皮膚機能のコンディショニング機器、高気圧環境装置(酸素ルーム)、免荷式トレッドミル、さらに気圧・気温・酸素濃度を制御可能な環境制御室の常設により、スポーツ科学センター内の環境適応科学による統合型コンディショニング実践拠点を強化しました。
これにより、寒冷刺激、高気圧環境、機械的刺激、免荷運動、低酸素環境など多角的アプローチを組み合わせ、主観的疲労度評価や心拍変動(HRV)、各種生理学的指標を活用しながら、実践と科学的検証を往還させる体制の構築が可能となりました。
今後は、持続可能なスポーツ活動を支える「環境適応科学による統合型コンディショニング」の実践拠点としても、未来のスポーツを支える基盤づくりの「挑戦と創造」に努めます。
(記事担当:田中耕作)